2008年10月18日土曜日

サブプライムをきっかけにした保護主義の台頭

昨日、会社の先輩に誘われて「2008グローバルプロフェッショナル」という、関西大学大学院の山本学教授が開催している勉強会に参加した。

いくつかプログラムがあったなかで特に聞き応えがあった、朝日新聞社「論座」元編集長の薬師寺克行さんの話を紹介しようと思う。

薬師寺さんは昨今のサブプライムローンの発端の原因と今後の国際社会の変化を以下の通りに展開していて非常に興味深かった。

20世紀の最大の悲劇であった世界大戦は各国の保護主義が大きな原因となった、という反省に基づき様々な国際機関が誕生した。

そして、人、モノ、金が世界を活発に行き交うようになり、その流れを汲んでイギリスのサッチャー、アメリカのニクソン、日本の中曽根が規制緩和、民営化、自由貿易を推し進め、いわゆる新保守主義が国際社会の中心となって来た。

そんな中で20世紀後半に共産主義が崩壊し、これまで以上にさらに自由主義市場が拡大を見せる。

自由主義市場拡大によって、これまでモノの売買が中心だった市場が金融商品を中心とした市場に変化を見せていくことになる。

そんな中で行き過ぎた金融中心の自由主義市場においてサブプライムローン問題が発生した。

上記で指摘したように、国際的に自由主義が広がり金融商品を中心とした市場でのサブプライムローンの問題は、1929年の世界恐慌の時代と異なり、現代の国際社会では非常に大きな影響をもたらすと考えられる。

ここまでがこれまでの流れで、以下は薬師寺さんの今後5年程度の見通し。

サブプライムローン問題を契機にこれまでの自由主義経済の見直しが国際的に行われ、各国で再び保護主義への揺り戻しが起こり、政府や公的機関の力が強くなる。

以上が大まかな薬師寺さんのお話でした。